以前の記事で、在宅勤務に伴う電話問い合わせの一時休止を解決する方法として、Twilio Studioを利用し個人電話に転送する方法を紹介しました。
今回は別の記事で紹介したGoogleスプレッドシートのシフトデータをもとに転送先となる個人をNode.jsで変更する方法を紹介します。
前提条件
- Twilioアカウントを持っていること(無料トライアルのサインアップ方法)
- 期間限定の問い合わせ番号となる電話番号を購入していること (日本の番号を取得する場合)
- こちらの記事に則りフローを作成、公開済みであること
- こちらの記事に則りGoogleスプレッドシートからデータを取得するNode.jsアプリケーションを作成済みであること
Node.jsプロジェクトの作成とパッケージのインストール
以前の記事に沿って作成したNode.jsアプリケーションのフォルダーに移動し、twilio-nodeパッケージをインストールします。
npm i twilio
次に.envファイルにTwilioへの接続情報やStudioフローのIDを保存する環境変数を追加します。
SPREADSHEET_ID=
STAFF_WORKSHEET_ID=
SHIFT_WORKSHEET_ID=
TWILIO_ACCOUNT_SID=
TWILIO_AUTH_TOKEN=
TWILIO_STUDIO_FLOW_SID=
Twilio Studio REST API v2を使ったフローの取得と更新
今回利用するTwilio Studio REST API v2は4月末にパブリックベータとしてアナウンスされたばかりの機能です。この新しいAPIを使って定義済みのフロー設定を外部から更新できます。
Twilioコンソールを開きACCOUNT SIDと、AUTH TOKENをそれぞれ.envファイルの TWILIO_ACCOUNT_SID
ならびに TWILIO_STUDIO_FLOW_SID
の値として設定します。
次に、Studioコンソールを開き、call forwardingフローのSIDを TWILIO_STUDIO_FLOW_SID
の値として設定します。
index.jsを開き、前回の記事でテストに使用したコードを変更します。このコードでは、シフト担当者の電話番号を取得した状態で、Twilio Nodeクライアントを利用しStudioフローを取得します。
loadShiftPhoneNumbers().then (
numbers => {
// twilio client
const client = require('twilio')
(process.env.TWILIO_ACCOUNTSID,
process.env.TWILIO_AUTH_TOKEN);
// Studioのフローを取得
client.studio.flows(process.env.TWILIO_STUDIO_FLOW_SID)
.fetch()
.then(flow => {})
.catch(error => console.error(error))
;})
.catch( error => console.error(error));
フローの定義情報は、definitionというプロパティに保持されているため、そちらを取得します。また、各ウィジェットについては、statesというプロパティに配列として定義されています。このstates配列からウィジェットの名前をキーとして着信を転送するウィジェットを取得し、更に転送先番号を更新します。
loadShiftPhoneNumbers().then (
numbers => {
// twilio client
const client = require('twilio')
(process.env.TWILIO_ACCOUNTSID,
process.env.TWILIO_AUTH_TOKEN);
// Studioのフローを取得
client.studio.flows(process.env.TWILIO_STUDIO_FLOW_SID)
.fetch()
.then(flow => {
// フローの定義を取得
let definition = flow.definition;
// forward_callウィジェットを取得
let callForwardWidget = definition.states.find(
item => item.name == 'forward_call');
// 転送先番号をシフトの電話番号で更新
callForwardWidget.properties.to = numbers;
})
.catch(error => console.error(error));
})
.catch( error => console.error(error));
後は更新した定義をStudio REST API v2を使い、反映させます。この際、statusプロパティで反映したフローを下書き状態(draft)にしておくことも、即座に公開(published)にすることもできます。
loadShiftPhoneNumbers().then (
numbers => {
// twilio client
const client = require('twilio')
(process.env.TWILIO_ACCOUNTSID,
process.env.TWILIO_AUTH_TOKEN);
// Studioのフローを取得
client.studio.flows(process.env.TWILIO_STUDIO_FLOW_SID)
.fetch()
.then(flow => {
// フローの定義を取得
let definition = flow.definition;
// forward_callウィジェットを取得
let callForwardWidget = definition.states.find(
item => item.name == 'forward_call');
// 転送先番号をシフトの電話番号で更新
callForwardWidget.properties.to = numbers;
// 更新した定義を反映し、即座に公開
client.studio.flows(process.env.TWILIO_STUDIO_FLOW_SID)
.update({
definition: definition,
commitMessage: 'シフトの更新 - 2020/05/15',
status: 'published'})
.then(res => console.log(res))
.catch(error => console.error(error));
})
.catch(error => console.error(error));
})
.catch( error => console.error(error));
index.jsを実行し、ログにエラーが含まれていないこと、Studioのフローが実際に変更されていることを確認しましょう。
node index.js
まとめ
ご覧いただいたように、パブリックベータとして公開されたREST API v2を活用することで、外部のデータやシステムと連携した上でTwilio Studioのフローを更新することができるようになりました。非常に強力なAPIなので、ぜひご活用ください。
今回のサンプルはこちらのGitHubリポジトリからクローンし、環境変数にそれぞれ値を設定することで確認することも可能です。
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